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神社の登記小資料室 熊谷司法書士事務所

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不動産登記先例訓令通達質疑応答 その2

代表役員と神社との取引
代表役員が自己所有の不動産を当該宗教法人に無償譲渡する場合仮代奏役員の選任を要しない
寺院の主管者が自己所有の不動産を寺院に寄付する登記に特別代理人の選任は要しない
寺院所有の山林を住職が買う登記申請には包括団体と段と総代の承認書を添付して特別代理人を選任する
規則に定めがあれば宗教法人の主管者が、自己の所有する敷地及び建物(教會の用に供する)を寄附する場合特別代理人の選任が必要
神社所有の不動産を宮司個人名義に売買・贈与登記をするには仮代表役員を選任し神社本庁の許可書を添付しなければならない。

神社の所有する不動産の処分
神社所有の土地の所有権を放棄することはできない
宗教法人所有の財産を処分する登記申請に包括宗教法人代表役員の承認書の添付は不要
宗教法人所有土地売却の登記申請書には、氏子又は壇徒総代の同意書を添附すべき
宗教法人所有の不動産を処分する登記申請に、神杜本庁統理の承認書は実務上これを添付していない
寺院所有の不動産を所有権移転登記する場合、所属宗派代表役員の承認書は不要
神社が所有士地を売却するには、所有権移転の登記申請書に総代の同意書と神社本庁の同意書及び承認書を添附しなければならない。
寺院所有の不動産を所有権移転の登記をする場合において、代務者をおいているときは代務者が申請人となる
神社寺院又ば教会の不動産所有権移する場合は総代の同意書の添附を要する

その他所有権移転関係
解散した宗教法人の残余財産を規則の規定により贈与できる事例
宗教法人が所有権移転仮登記をする場合の登録免許税は、非課税とならない
宗教法人が、取得した不動産の所有者に代位して変更、相続登記申請をする場合、登録免許税は免除されない
宗教法人が不動産を取得する場合都道府縣事の許可を要しない。規則に別段の定めがない限り総代の同意も必要としない
神社に不動産を奉納する場合の登記原因は「寄付」で登録免許税を納付する
規則に残余財産を特定の神社に帰属させる記載がある場合帰属による所有権移転登記申請は可能である
甲神杜が乙神社を吸収合併し、所有権移転登記申請があつた場合の取扱は会社合併に準ずる

地目関係

地目「境内地」の定義
登記簿上の地目が墓地でなければ登録免許税は免除されない
事実上寺院境内地として使用されている私人所有の土地の地目は、境内地とはならない
納骨堂が建築されている土地の地目は宅地または境内地
境内にある幼稚園等の園地
飛地境内地とは
境内地証明の条件
境内地内の菜園
境内地に接している山林
境内にある応急住宅
境内墓地の取扱い
宗教施設と接している納骨堂
神殿等が焼失した場合の跡地
公会堂と同一敷地内に建てた直会所
境内地への地目変更と所轄庁の許可書の添付の要否
国有地を払下げた場合の台帳の申告について
地積の表示について

登録免許税関係
非課税証明書の発行元の都道府県知事は不動産所在地の知事でよい
同上
宗教法人等の所有する建物の床面積増加にかかる登記の登録税の徴収に関する手続について
教会に寄付する前提としての保存、分筆登記の登録免許税は免除されない
昭和14年法律第78号によリ神社へ不動産を譲与する際登録税の免除をうけるには税務署の証明書が必要
所轄庁の証明書の添附のないかぎり、教会の建物保存登記の登録税は免除されない

その他
非課税の神社の建物でも登記をしなげれば第三者に対抗し得ない
宗教法人登記及神社寺院教會財産登記上の「法量」とは
宗教法人所有の境内建物は土地台帳に申告できない



代表役員と神社との取引

代表役員が自己所有の不動産を当該宗教法人に無償譲渡する場合仮代奏役員の選任を要しない
登記事務取扱方について
(昭和30年7月6日津地方法務局長電報照会、同年7月11日付民事甲1464号民事局長電報回答)
 宗教法人の代表役員が自己所有の不動産を当該宗教法人に無償譲渡する行為については宗教法人法第21條により仮代奏役員の選任を必要とするが登記の申請手続については代表役員自らこれをすることが出来ると考えますが目下差掛った事件がありますので至急何分の御指示を御願い致します。
(回客)
 本月6日付電照の件、所問の無償譲渡の場合は、宗教法人法第21條の利益相反行為に該当しないから、仮代表役員の選任を要せず、代表役員は、当該行為及びその登記の申請をすることができるものと考える。
〔解説〕宗教法人の代表役員が当該宗教法人と利益相反行為をする場合には、代表役員は代表権がなく、この場合には、規則の定めるところにより仮代表役員を選任し(宗教法人法第21條第1項)、その仮代表役員と当該行為をすることとなるのであるが、本問は、代表役員がその所有に係る不動産を当該宗教法人に無償で譲渡する場合であるので、その無償譲渡は、宗教法人法第21条第1項にいう「利益が相反する事項」であるかどうかがまず疑問となるのである。
 しかして、右の宗教法人法第21條第1項は、代表役員が当該宗教決人と自由に法律行為等ができることとすると、とかく自己の利益を図り勝ちになるから、つまり、当該宗教法人の不利益となるおそれがあるので、かかる宗教法人の損害の生ずることを防止するため、すなわち、宗教法人の利益の保護を目的として設けられたものと解すベきであるから、本問のように無償譲渡の場合には、宗教法人の不利益となることはないから、仮代表役員の選任を要しないで、代表役員は当該譲渡行為及びその所有権移転登記の申請をすることはさしつかえないのである。

寺院の主管者が自己所有の不動産を寺院に寄付する登記に特別代理人の選任は要しない
916 寺院の主管者が自己所有の不動産を寺院に寄付した場合の登記の取扱について
問 寺院の主管者が自己所有の不動産を寺院に寄附したる場合の移転登記に左記両説あり甲説が正しいと思ふが如何。
尚寺院規則には特別代理人に関する規定は何等定めてない。
甲説 寄附の場合は利益相反する行為に非ざるを以て特別代理人の選任を要しない。
乙説 寄附の場合と雖も利益相反する行為に付き特別代理人の選任を要する。
(北海道 高林)
答 甲説を相当と思考する。

寺院所有の山林を住職が買う登記申請には包括団体と段と総代の承認書を添付して特別代理人を選任する
493 寺院所有の不動産をその住職が買い受ける場合の登記手続
問 寺院所有の山林をその住職が買い受くる登記申請には、何人の許可書があれば足るや。又売渡証書に連署を要する者及び寺院代表者は何人なりや(なお、寺院登記のなきものである。)。(岐阜 藤田生)
答 所問の場合においては、壇徒又は信徒総代の同意書を必要とし、且つ、当該寺院が教派又は宗派に所属している場合においては、所属教派又は宗派の主管者の承諾書をも必要とする(不動産登記法第35條第1項第4號、宗教法人令第11條参照)。しかして當該不動産の処分行爲については、當該寺院とその主管者との利益相反行爲となるので、当該寺院の寺院規則の定めるところにより、特別代理人を選任し(宗教法人令第17條参照)、當該住職が登記権利者として、特別代理人が登記義務者である當該寺院の代理人として、共同して登記の申請をすることとなる。
 なお、当該寺院について、宗教法人令による寺院登記(宗教法人令附則第2項の登記を含む。)がないとすれぱ、当該寺院が法人であることを證することはできないので、所問の登記は、これを受理することはできない。

規則に定めがあれば宗教法人の主管者が、自己の所有する敷地及び建物(教會の用に供する)を寄附する場合特別代理人の選任が必要
35 宗教法人(○○)の主管者が、自己の所有する敷地及び建物(教會の用に供する)を、當該教會の財産に寄附する場合に、特別代理人の選任を必要とするか(岐阜)
 答 特別代理人を選任するか否かは、教會規則の定めによる
(理由)宗教法人令第17条但書に「民法第57条の規定の準用に依る特別代理人の選任は規則の定むる所に依る旨」の規定がめる。尚この問題については、昭和21年7月2日民事甲1294號民事局長通牒を参照されたい

神社所有の不動産を宮司個人名義に売買・贈与登記をするには仮代表役員を選任し神社本庁の許可書を添付しなければならない。
284 既登記の寺院、神社所有の不動産をその主管者(個人名義)に売買又は贈與の登記をなす場合の添附書面等
問一、宗教法人として登記のしてある寺院及び神社所有の不動産を其の寺院又は神社の主管者へ個人名義として売買又は贈與登記をなすには寺院又は神社の主管者の代理者を(登記義務者としての)一時選任の必要がありますか。
二、一の場合の移転登記申請書に添附する書類は檀徒総代(3名)又は氏子総代(3名)の同意書と、本山(所属宗派)の主管者及び神社本庁の許可書の外にまだ必要書類がありますか。(岡山 登記研究生)
答 一、神社寺院とその主管者と利益相反する行爲であるので、主管者は神社又は寺院の代理権を有しないから特別代理人を選任しなければならない。(宗教法人令第17條、民法第57條)
二、所有権移転登記の申請書には、総代の同意書及び當該神社寺院が教派又は宗派に属するものであれば所属教派又は宗派の主管者の承認書をも添附しなけれぱならない。(不動産登記法第35條第1項第4號、宗致法人令第11條)なお、神社本庁は一教派であるので、当該神社が神社本庁に所属している場合には、その主管者の承認を要することは右に述べた通りであるが、その他の場合において神社がその所有不動産を処分する場合に常に神社本庁の許可を必要とするという訳ではないから念のため申し添えておく。

神社の所有する不動産の処分

神社所有の土地の所有権を放棄することはできない
不動産(土地)の所有権放棄について
(昭和41年6月1日付庶発第1124号神社本庁事務総長職務代理、神社本庁事務副総理照会、同年8月27日付民事甲第1953号民事局長回答)
【要旨】がけ地が崩かい寸前にあり、補修に多額の費用を要する場合であつても当該土地の所有権は放棄できない。
 このことについて、本庁包括神杜の○○市○○神社から、神社所有地の一部が崖地のため、崩潰寸前にあつて、神社は勿論付近の氏子住家数軒も危険状態にあるため、これを防止すべく考慮したのであるが、この工事に要する費用が数千万円を見込まねぼならず、到底神杜においては、これを負担する資力はなく、然し乍らこのまま放置することは、前述の如く神杜及び氏子住家が危険に怯かされる生活を続けねばならぬという現状であることが報告されました。
 因つて所有権者たる神杜は、この方策としてその所有権を放棄し国に帰属せしめ、国の資力によつて危険防止を計る事が最善であろうと思料した様な次第でありますので、かかる件に関し次の2点について御照会致します。
一、不動産,(土地)所有権の放棄は、所有権者から一方的に出来るか。
二、もし所有権放棄が可能であれぱ、その登記上の手続方法はどの様にするか。
(回答)
 本年6月1日付庶第1124号をもつて照会のあつた標記の件については、左記のとおり回答いたします。
     記
 第一項 所問の場合は、所有権の放棄はできない。
 第二項 前項により了知されたい。

宗教法人所有の財産を処分する登記申請に包括宗教法人代表役員の承認書の添付は不要
不動産登記法第35条第1項第4号の書面の要否について
昭和39年3月25日付日記第493号奈良地方法務局長照会、同年8月7日付民泰甲第2732号民事局長回答並びに各法務局長地方法務局長あて通達
 標記の件について、別紙甲号のとおり奈良地方法務局長から問合せがあり、別紙乙号のとおり回答したから、この旨貴管下登記官に周知方しかるべく取り計らわれたい。
別紙甲号
 宗教法人○○教管理部長から当職あて、別紙のとおり依頼がありましたが、宗教法人法第23条及び同法第24条によれぼ、被包括宗教法人の財産処分については、規則で定めるところ(不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供する場合には、包括団体の代表役員の承認を得ること。)によるほか、その行為の少なくとも1月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなければならないことになつており、かつ、被包括宗教法人の境内建物もしくは境内地である不動産又は財産目録に掲げる宝物については、規則に定めるところの包括団体の代表役員の承認を得ない処分行為は無効であると規定されておりますので、右は、まさに、不動産登記法第35条第1項第4号の「登記原因二付キ第三者ノ許可、同意叉ハ承諾ヲ要スルトキ」に該当するものと考えますが、事案は全国的に統一を要する問題でもあり、一○○教のみならず宗教法人全般の問題でもありますので、何分の御垂示を仰ぎたくお伺いします。
 なお、宗教法人法第52条第2項第7号の規定により、規則に定める被包括宗教法人の財産処分についての制約は、宗教法人登記についての登記事項とされているので、念のため申し添えます。
(別紙)
 昭和39年3月23日
   ○○県○○市○○町○○番地
    宗教法人「○○教」
      管理部長 ○○○○
○○地方法務局長殿
 宗教法人所有の財産処分につき、包括宗教法人代表役員の承認書を呈示する等のお願いについて
 宗教法人「○○教」(以下「包括法人」といふ。)が包括する宗教法人所有の財産を処分する場合、右教会の規則には「責任役員全員の同意を得て○○教代表役員の承認を受けた後」とありますが、包括法人の承認書は不動産登記法第35条第1項第4号に規定する書面には該当せず、申請書にはその添付を要しないことになつておるために、包括法人代表役員の承認を得ないで所有権移転の登記申請を提出しようとした事例が数件発生しております。
 つきましては、宗教法人法に規定された手続を完全に履践し、当該宗教法人代表役員の不本意による責任行為を未然に阻止する措置として、被包括法人が所有する不動産の所有権移転の登記を申請する場合には、登記官吏が包括法人代表役員の承認書の呈示を求めるか又はこれに替わる実効ある行政上の御配慮を仰げないものでしようか、右について御教示を賜りたく、お願いをかねて御照会申し上げます。
   宗教法人「○○教」規則抜すい
    第四章教会
(財産の処分等)
第38条 一般教会は、左に掲げる行為をしようとするときは、この法人の代表役員の承認を受け、その行為の少くとも1月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示してその旨を公告しなけれぼならない。
一、不動産又は財産目録に掲げる宝物を処分し、又は担保に供すること。
二、借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く。)又は保証する こと。
三、主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をする こと。
四、境内地の著しい模様替をすること。
五、主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれらを当該 教会の主たる目的以外の目的のために供すること。
  宗教法人「○○教○○教会」規則抜すい
   第三章 財   務
(財産の処分等)
第十九条 左に掲げる行為をしようとするときは、責任役員全員及び○○教○○教会代表役員の同意を得て、天埋教代表役員の承認をうけた後、その行為の少くとも1月前に、信者その他の利害関係人に対し、その行為の要旨を示して、その旨を公告しなければならない。但し、第三号から第五号までに掲げる行為が、緊急の必要に基くものであり、若しくは軽徴なものである場合、又は第五号に掲げる行為が、一時の期間に係るものである場合については、この限りでない。
一、不動産又は財産目録に掲げる宝物その他の基本財産を処分し、又は担保に供すること。
二、借入(当該会計年度内の収入で償還する一時の借入を除く)又は保証するこ と。
三、主要な境内建物の新築、改築、増築、移築、除却又は著しい模様替をする こと。
四、境内地の著しい模様替をすること。
五、主要な境内建物の用途若しくは境内地の用途を変更し、又はこれをこの教 会の主たる目的外の目的のために供すること。
別紙乙号
 本年3月25日付日記第493号をもつて問合わせのあった標記の件については、消極に解すべきものと考える。

宗教法人所有土地売却の登記申請書には、氏子又は壇徒総代の同意書を添附すべき
100 宗教法人がその所有不動産を売却した場合における所有権移転登記申請書の添附書面について。
問 宗教法人が、その所有の土地を売却する場合の所有権移転の登記の申請書には、氏子又は壇徒総代の同意書を添附すべきでしようか。又た土地の売却について都道府縣知事の許可が必要でしようか(石川 山下幸祐)
答 (イ)神社、幸院及び教会がその所有土地を売却するには、総代(氏子、崇敬者、檀徒、教徒及び信徒の総代)の同意を必要とし、(ロ)その神社、寺院及び教会が、教派、宗派又は教団に属しているときは、その所属教派、宗教又は教團の主管者の承認をも必要とする(宗教法人令11)。
 所有権移転の登記申請書には、(イ)の場合には同意書、(ロ)の場合には同意書及び承認書を添附しなげればならない。なお、その他の宗教法人は、規則に別段の定めがない限り必要ではない。
 都道府縣知事の許可は、農地、探草地又は放牧地でない限り、必要としない。
管理人注 現在の取扱は氏子総代の同意書は不要となっております。この質疑応答がなされた当時は責任役員も登記事項となっていたためこのような質疑応答がなされたものと思われます。もちろんこれは登記手続上の話であり、現実には神社本庁と氏子総代の許可が必要となるでしょう。

宗教法人所有の不動産を処分する登記申請に、神杜本庁統理の承認書は実務上これを添付していない
29、宗教法人の所有する不動産を処分する登記の申請をする場合、所属宗派の代表役員又は神杜本庁統理の承認書は不動産登記法第35條第1項第4号の書面ではないと思われるが、実務上これを添付せしめているか。
決 添付せしめていない。
(若松出)

寺院所有の不動産を所有権移転登記する場合、所属宗派代表役員の承認書は不要
3005 寺院所有の不動産につき所有権移転登記を申請する場合、代表役員の承認書の提出の要否
問 寺院所有の不動産につき、所有権移転の登記を申諸する場合、右寺院の規則には「......責任役員の議決を経て所属宗派の代表役員の承認を受けて後......」とありますが、該承認書は、不動産登記法第35條第1項第4号の書面には該当せず、申請書にはその添付を要しないものと考えますが、いかがでしようか。
(名古屋・中部研究生)
答 御意見のとおりと考えます。なお、本紙(登記研究)第63号35項をご参照ください。

神社が所有士地を売却するには、所有権移転の登記申請書に総代の同意書と神社本庁の同意書及び承認書を添附しなければならない。
100 宗教法人がその所有不動産を売却した場合における所有権移転登記申請書の添附書面について。
問 宗致法人が、その所有の土地を売却する場合の所有権移転の登記の申請書には、氏子又は檀徒総代の同意害を添附すべきでしようか。又た士地の売却について都道府縣知事の許可が必要でしようか(石川 山下幸祐)
答 (イ)神社、幸院及び教曾がその所有士地を売却するには、総代(氏子、崇敬者、檀徒、教徒及び信徒の総代)の同意を必要とし、(ロ)その神社、寺院及び教会が、教派、宗派又は教團に属しているときは、その所属教派、宗教又は教団の主管者の承認 をも必要とする(宗教法人令11)。
 所有権移転の登記申請書には、(イ)の場合には同意書、(ロ)の場合には同意書及び承認書を添附しなければならない。なお、その他の宗教法人は、規則に別段の定めがない限り必要ではない。
 都道府縣知事の許可は、農地、採草地又は放牧地でない限り、必要としない。
管理人注 質疑応答なので個別事案なのでしょうが、宗教法人令時代は許可書・同意書いずれも必要とされていたようです。現在は少なくとも神社本庁の同意書は不要なはずです。申請する前に事前相談をしていた方が安全だと思います。

寺院所有の不動産を所有権移転の登記をする場合において、代務者をおいているときは代務者が申請人となる
職務代行者のある寺院所有不動産処分の登記の申講人
問 寺院所有の不動産(山林)につき売買に因る所有権移転の登記をする場合において、主管者が病氣により久しい間執務することができないため、代務者をおいているときは、右主管者又は代務者の何れの申請によりますか、又は双方の申請ですか御教示下さい。
(干葉 登記生)
答 主管者がその職務を執行することができなくて代務者を置いた場合には、代務者が當該寺院を代表するのであるから、所問の場合においては、登記権利者と、登記義務者たる寺院の代表者としての代務者とで登記の申講をするのである。

神社寺院又ば教会の不動産所有権移する場合は総代の同意書の添附を要する
376 神社寺院又ば教会の不動産所有権移する場合の総代の同意書添附の要否
問 神社寺院又は教会の不動産売却による所有権移転登記の申請書には、当該法人が教派、宗派又は教團に所属する場合は、その所属教派、宗派又は教団の主管者の承認書を添附することを要するが、宗教法人令第11條第1項の総代の同意は、法人の意志を決定する内部機関の表意と解し、不動産登記法第35條第1項第4號に該當しないと思料されるので、その同意書の添附は必要がないと考えますが。(岐阜 森川生)
答 総代の同意書もなお添付の必要がある
(理由)神社、寺院又は教会が、その所有不動産を売却しようとする場合には、総代の同意を得ることを要し、且つ當該神社、寺院又は教会が教派、宗派又は教團に属するものであるときは、更にその所属教派、宗派又は教團の主管者の承認を受けなければならないのであつて、右の同意又は承認を受けないで不動産を売却した場合には、その行罵は無効である。(宗教法人令11條1項、2項)。しかして、右の場合における不動産の所有機移転の登記の申請書には、総代の同意書及び所属宗派等の主管者の承認書を添附しなげればならないことになつている。(同令施行規則20條)。即ち、総代の同意書を添附するのは、不動産登記法第35條第1項第4號の規定によるのではなく、宗教法人令施行規則第20條の規定によるのである。

その他所有権移転関係

解散した宗教法人の残余財産を規則の規定により贈与できる事例
宗教法人の残余財産の処分について
(昭和31年10月15日登第498号佐賀地方法務局長照会、同年11月10日民事甲第2599号民事局長事務代理回答)
 標記の件について、左記のとおり疑義があり、目下さしかかつた事件もありますので至急何分の御教示をお願いいたします。
    記
一、宗教法人法附則第17項の規定により解散した宗教法人の規則に「解散又は廃止の場合剰余財産あるときは本分教会長は開教老の故を以て之を贈与す。なお、負債を生じたる場合も同上分教会長之を支弁するものとす。」と定めてある場合に於て、当該宗教法人を登記義務老(清算人分教会長)、受贈者(分教会長)を登記権利者とする所有権移転登記の申請は、債務の履行であるから受理してさしつかえないと考えますが、如何でしようか。
一、前項受理してさしつかえないとすれば、登記原因は贈与と思いますが、如何でしようか。
   (回答)
 本年10月15日付登第498号で問合せのあつた標記の件については、第一項、第二項いずれも貴見のとおりと考える。

宗教法人が所有権移転仮登記をする場合の登録免許税は、非課税とならない
登録免許税の納付の要否について
(昭和56年4月16日付け札幌法務局民事行政部長照会、昭和56年9月1日付け法務省民三第5、425号民事局第三課長回答)
【要旨】 学校法人又は宗教法人が校舎等の敷地とするため、土地について売買予約に基づく所有権移転請求権仮登記又は売買に基づく所有権移転仮登記をする場合の登録免許税は、非課税とならない。
(照会) 学校法人または宗教法人が校舎等の敷地とするため、
① 土地の売買予約を登記原因として所有権移転請求仮登記をなす場合
② 土地の売買を登記原困として所有権移転仮登記をなす場合
 登録免許税の徴収に関し、①の場合は登録免許税法別表3の適用がなく徴収すべきであり、②の場合は同法別表3を適用してさしつかえないものと考えますが、いささか疑義がありますので折り返し電信で御指示願います。
(回答) 本年4月16日付け13号電照の件については、①及び②とも登録免許税法別表第1・1(9)イによリ徴収すべきものと考える。
【解説】
 一 本件照会は、学校法人又は宗教法人が、校舎等の敷地について自己のために売買に基づく所有権移転の仮登記を申請する場合には、登録免許税は課されないかどうかを問うものである。
 二 登録免許税法第4条第2項は、「別表第3の第1欄に掲げる者が自己のために受けるそれぞれ同表の第3欄に掲げる登記等については、登録免許税を課さない」と規定し、一定の公法人等について、それらのものが自己のために受ける特定の登記については登録免許税を課さないことを明らかにしている。すなわち、同条同項の趣旨は、個々の具体的登記についてのみ限定的に免税とするというものである。
 三 この規定を受けて、別表第3では、登録免許税が課されない公法人等の名称と非課税となる登記の種類を掲げているが、その2及び12で、学校法人又は宗教法人が自己のため受ける校舎等の敷地の用に供する土地の権利の取得登記については、登録免許税を課さないことを明らかにしている。
 四 ところで、右の取得登記とは、権利の保存、設定、転貸又は移転の登記をいうものとされているので、売買に基づく所有権移転の仮登記が、ここにいう「権利の保存、設定、転貸または移転の登記」中に含まれるかどうかが問題となるが、少なくとも形式的には仮登記を含むと解釈することは法文上困難といわざるを得ない。学校法人又は宗教法人が校舎等の敷地とするための所有権移転の登記については非課税とされているので、この所有権移転の登記よりも法的効果の少ない仮登記についても非課税とされてしかるべきであると考えられなくもないが、登録免許税法第4条第2項の趣旨は、前述したとおり特定の登記に限って例外的に非課税としているものであるから、登録免許税法別表第3の第1欄にいう「取得登記」に所有権移転請求権保全の仮登記はもちろんのこと所有権移転の仮登記も含ませて解釈することは相当でないと考えられる。
 五 以上により本件回答がされたものであろう。

宗教法人が、取得した不動産の所有者に代位して変更、相続登記申請をする場合、登録免許税は免除されない
351 教会が取得した構内地に関して前所有者を代位してする登記の登録税について
昭和25年11月22日広島法務局長電報問合、同年12月6日民事甲第3130号民事局長電報回答並びに各法務局長及び地方法務局長あて通達
 標記の件について、今般別紙甲号の通り広島法務局長から電報問合せがあったので、別紙乙号の通り電報回答したから、この旨貴管下登記官吏に周知方然るべく取り計らわれたい。
(別紙甲号)
 法人たる教会が教会構内地として取得したる不動産の所有権移転登記上必要に基き、所有者に代位して表示の変更、相続等の登記申請をなす場合、登録税法施行規則第5條の7により登録税を免除すベきものとなるや、電信にて回答を乞う。
(別紙乙号)
 昭和25年11月22日電報問合せの件は、登録税法施行規則第5條ノ7の規定に徴し、登録税法第19條第2号ノ4の規定に議当しないから、登録税を徴収すべきものであると考える。

宗教法人が不動産を取得する場合都道府縣事の許可を要しない。規則に別段の定めがない限り総代の同意も必要としない
101 宗教法人が不動産を取得した場合における所有権取得の登記の申講書の添附書面について。
問 宗教法人が不動産を取得した場合における所有権取得の登記の申請書には、都道府縣知事の許可書又は総代の同意書を添附しなければならないか(石川山下幸祐)
答 1、不動産を取得するについて都道府縣事の許可を要しない。なお、規則に別段の定めがない限り総代の同意も必要としない。
2、総代の同意を要する場合においては、同意書を添付するのを相当とする。

神社に不動産を奉納する場合の登記原因は「寄附」で登録免許税を納付する
3576 登記原因の記載方法等
問1 登記権利者(宗教法人)、登記義務者(個人)間において「奉納」を登記原因として移転登記申請は、受理して差し支え汝いものと思うが如何。
2 前項の場合の登録税は、登録税法第2條第1項第2号により徴収して差し支えないか。
(福島 Y生)
答 1 登記原因は「寄附」と補正せしめるのが相当と考えます。
2 貴見のとおりと考えます。

規則に残余財産を特定の神社に帰属させる記載がある場合帰属による所有権移転登記申請は可能である
三、宗教法人法附則第17項により解散した宗教法人の規則に残余財産の処分方法を「神杜本庁に所属する神杜に帰属する」と定めて具体的に帰属先の神杜を特定していた宗教法人の残余財産について、同一神杜本庁に所属する甲神社を登記権利者として帰属による所有権移転登記の申請は受理できるか。
参照 昭和28、12、4民事甲第2307号回答
決議 意見のとおり。(西脇出)

甲神杜が乙神社を吸収合併し、所有権移転登記申請があつた場合の取扱は会社合併に準ずる
(五)問題
 宗教法人令施行前に甲神杜が乙神社を飛地境内神杜として吸収合併し、その認可を昭和20年8月7日受けた。乙神社には既登記の不動産があるが、今甲神社名義とするため神社合併として所有権移転登記申請があつた場合の取扱はどうするか。
(長浜提出)
決議 一般法人の合併の例による。

地目関係

地目「境内地」の定義
寺院境内地等の地目について
(昭和34年3月12日付経済企画庁国土調査課長照会、同年4月2日付民事三発第246号民事局第三課長心得回答)
 標記について別紙のとおり埼玉県農地開拓課長から照会があつたので、下案により回答したいがさしつかえないか、御意見をお伺いする。
    記
一、宗教法人がもつぱらその本来の用に供する宗教法人法第3條に規定する境内建物の敷地及ぴ境内地(旧宗教法人令の規定による宗教法人のこれに相当する建物、工作物の敷地及び土地を含む。)の地目は「境内地」として調査すること。
二、次のような土地の地目は「境内地」とすることなく、現況により適当に区別して調査すること。
(1)一般の礼拝等の用に供していても宗教法人でないものが所有し又は使用する土地
(2)宗教法人が所有し又は使用する土地のうち、境内建物の敷地(境内地を含む。)以外の宅地、山林等
三、宗教法人であるかどうか判明しないときは、管轄登記所その他について確かめること。
(別紙)
寺院境内地等の地目について
(昭和34年2月26日付34農開発第1、113号埼玉県農地開拓課長から経済企画庁国土調査課長あて照会)
 このことについては、昭和32年10月24日付経企土第17九号経済企画庁総合開発局長通達(調査図表示例等について)により昭和30年7月7日付審計土第81号経済企画庁計画部長通達(特殊土地の取扱の一部改正について)が廃止となり、これに伴い標記の地目区別の処理に困つておりますので、これらの土地の調査要領について具体的に御教示願います。
(回答)
 昭和34年3月12日付で照会のあつた標記の件については、貴見のとおり最り扱つてさLつかえないものと考える。

登記簿上の地目が墓地でなければ登録免許税は免除されない
3566 登録免許税法第5条第10号の適用の有無について
【要旨】現況地目が墓地であつても、登記簿上の地目が墓地でなければ、登録免許税法第5条第10号の適用はない。
問 甲所有の登記簿上地目山林現況地目墓地と推定される土地を乙宗教法人に売買を原因とする所有権移転登記の申請があつた場合、当該登記の添付書類である委任状に現況地目墓地である旨の記載があるときは、登録免許税法第5条第10号に該当するものと考えますが、いかがでしようか。
答 所間の場合には登録免許税法第5条第10号の適用はないものと考えます。

事実上寺院境内地として使用されている私人所有の土地の地目は、境内地とはならない
2380 地目の定め方について
問 事実上寺院境内地として使用されている当該寺院以外の私人所有の土地の地目は、境内地として最り扱つてさしつかえないか。
(岐阜 研究生)
答 宗教法人の所有でない土地は、事実上寺院の境内地となつている場合でも、土地台帳法上第二種地ではない(土地台帳法第3條、土地台帳法施行令第1條、地方税法第348條第1項第3号参照)。従つて、所問の土地が、当該寺院の境内建物の敷地となつているときは、宅地とし、しからざるときは、現況によつて定めるベきである(土地台帳法第7條参照)。

納骨堂が建築されている土地の地目は宅地または境内地
2485 地目の定め方について
問 宗教法人である寺院から、農地である土地につき、農地法第4條により納骨堂用地として地目変更を詐可されている許可書を添付して第二種地成(地目境内地)申告書が提出された場合、地目は、土地台帳法第3條及び第7條によると墳墓地として最り扱うのが妥当のようですが、一部には、納骨堂は建造物であり、土地台帳法による墳墓地(人の遺骸又は遺骨を埋める土地)でなく、焼骨を他人より依託を受けて収蔵する所で、宗教法人法第3條第2号に該当するものであるから、境内地又は宅地として取り扱つて差し支えがない、という説もありますが、墳墓地とすべきでしようか。宅地又は境内地とすべきでしようか。(北野 井上生)
答 所問の場合には、当該納骨堂が建築されているときは、当該土地は、土地台帳法上第二種地となるものと解する(土地台帳法第3條第2項第7号、同法施行令第1條、地方税法第348條第2項第3号及び宗教法人法第3條第2号参照)。従つて、当該土地は、建造物の敷地と解するから、地目を墳墓地と定めることはできないが、境内地又は納骨堂敷地のいずれに定めてもさしつかえない(宅地と定めることもさしつかえない。)ものと考える(土地台帳法第7條参照)。

以下13件は登記先例解説集第381号地目変更特集から引用

境内にある幼稚園等の園地
境内にある幼稚園等の園地は境内地から区分しなければならないか
問 法人の行なう事業として幼稚園・保育園等を営む場合の園地は、境内地と区分する必要があるか。
回答 幼稚園・保育園等を営む主体が宗教法人であると他の法人であるとを問わず、境内地と園地との関係、区別は明瞭にしなけれぽならない。また、境内地のほとんど全部を園地として使用し、そのために宗教法人としての活動が行なわれなくなるというようなことのないよう十分注意すべきである。

飛地境内地とは
飛地境内地とは何か
問 「飛地境内地」とは、何のことか。
回答 「飛地境内地」とは法律上の慣用語ではないが、主要な境内建物が存在する境内地と離れて境内建物が存する一画の土地を一般に飛地境内地と称し、境内地として取扱っている。

境内地証明の条件
境内地証明はいかなる場合に受けられるか
問 左記の場合、もっぱら宗教の用に供する法第3条の境内地として証明は受けられるか。
⑴ 境内建物に関する詳細な責任役員の議決(建設計画等)がなされておらず、境内地が整理されていない場合
⑵ 境内建物に関する責任役員の議決および整地がなされているが他目的に使用可能な土地である場合

回答 境内地の証明は、責任役員の議事録・予算書・建設計画書.契約書を提出させるなど、当該土地がもっぱら 宗教の用に供される土地であることを確認のうえ行なわれるから、⑴の場合は他目的に使用されない限り証明を受けられるが⑵の場合は建設計画書等の提出によって境内地としての確認が得られれば証明は受けられる。


境内地内の菜園
境内地内の菜園も非課税となるか
問 神せん田・仏供田は、当然に宗教目的をもっている土地であるから、たとえぽ境内地の一部に菜園を設けた場合、その所産の野菜等を神仏に供することを主目的としている限り、この菜園も当然に非課税たるべきものと考えるがどうか。
回答 作物を神仏に供えることを主目的とし、または宗教上の儀式・行事を行なうために用いられる土地であれば、非課税になるものと考える。

境内地に接している山林
境内地に接している山林は境内地とみなされるか
問 法第3条第5号に規定された境内地に接続して広大な山林があり、この山林も境内地であると主張しているが、どの範囲までが境内地と認められるか。
回答 由緒・沿革等をも考慮する必要があるが、法第3条第5号に該当すれば、広狭にかかわらず境内地である。この場合、非課税の対象となるかどうかは別問題である。

境内にある応急住宅
境内にある応急住宅の部分も境内地証明は受けられるか
間 従来からの境内地の一部に大水害による応急住宅が建てられている場合、これも境内地として証明すべきか。
回答 水害による応急住宅であっても、すぐとりこわすとか間もなく他に移すとかいう計画がなく、しかも単なる住宅で当該法人の宗教の用に供するというものでもなければ、この建物の敷地を境内地として証明を受けることは困難と考える。

境内墓地の取扱い
境内墓地の取扱いはどうなるか
間 宗教法人法では、墓地は当然には境内地として取扱われないことになっているが、従来墓地が境内地として取扱われていた関係上、附則第5項および第6項による切替えの申請当初には、宗教施設と接続している墓地を境内地として記載されている向きが多く見受けられる。墓地を宗教法人台帳の境内地の欄に登載していてもさしつかえないか。
回答 さしつかえない。

宗教施設と接している納骨堂
宗教施設と接している納骨堂は境内建物とみなされるか
間 宗教施設と接続している土地に建てられた納骨堂およびその敷地は、境内建物および境内地として取扱ってよいか。
回答 従来から境内地として登載してあればさしつかえない。

神殿等が焼失した場合の跡地
神殿等が焼失した場合の跡地の取扱いはどうなるか
問 本堂・神殿等が焼失してまだ復興していないが、その復興に現に努力しつつあり、また事実宗教活動をしている場合は、その焼跡地は歴史的に密接な縁故ある土地として、非課税の対象となり得ると解するがどうか。
回答 堂宇その他宗教施設が滅失しても実際宗教活動が支障なく行なわれているとか、あるいは復興されることが客観的に明らかである場合には、その焼跡地は宗教目的のために使用されているものとして取扱ってよいと考える。

公会堂と同一敷地内に建てた直会所
公会堂と同一敷地内に建てた直会所は境内地の証明を受けられるか
問 現有の鏡内地から離れた所に新たに宅地の贈与を受け、直会所兼物置を建設したが、同宅地内には既設の公会堂があり、登記簿によると一筆になっている。この場合直会所兼物置の敷地も境内地の証明は受けられるか。
回答 一筆の土地のうち、公会堂の敷地を除いた直会所兼物置の敷地は境内地としての証明は受けられる。
(以上10件、「宗教法人法の解説と運用」より)

境内地への地目変更と所轄庁の許可書の添付の要否
要旨 境内地とする地目変更登記の申請には所轄庁の許可書の添付は要しない。
問 雑種地を境内地とする地目変更登記の申請書には、所轄庁の許可書の添付は必要ないものと考えますが、いかがでしょうか。
回答 御意見のとおりと考えます。(登記研究491号107頁)

国有地を払下げた場合の台帳の申告について
国有地を払下げた場合の台帳の申告について
問 神社又は寺院の境内地又は構内地である国有地を、その神社又は寺院に払下げた場合は、払下を証する書面を添附して払下を受けた神社又は寺院から登記地成の申告をすればよいように思いますが如何でしようか。
回答 未登記のものであれば御意見の通り。(登記研究44号32頁)

地積の表示について
地積の表示について
問 土地台帳に地積を記載する場合において、地目が神社等の境内地又は学校敷地であるときは、畝歩をもって表示すべきか、又は坪をもって表示すべきか。
回答 前段貴見のとおり。(登記研究104号43頁)

登録免許税関係

非課税証明書の発行元の都道府県知事は不動産所在地の知事でよい
昭和38年6月4日付民事甲第1、634号民事局長回答並びに各法務局長、地方法務局長あて通達「2711登録税法施行規則第5条ノ7に関する疑義について」
(解説)本問は、登録税法第19条第2号ノ10では、宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地に関する登記を受ける登録税は免除すべきものとしており、なお、この免除については、登録税法施行規則(以下「規則」という。)第5条ノ7において、宗教法人が当該宗教法人又はその包括する宗教法人の専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地に関して受ける登記につき登録税法第19条第2号ノ10の規定の適用を受けんとする者は、当該登記を受ける物件及び土地が、これらの物件及び土地に該当するものであることの都道附県知事の証明書を提出すべしとしているので、右規則第5条ノ7にいう都道府県知事とは、宗教法人法第5条第1項の所轄庁である都道府県知事をいうのか、又は宗教法人の所有する不動産の所在地の都道府県知事をいうのか、あるいは登記所としては、そのいずれによるもさしつかえないかの問題である。
 昭和28年大蔵省令第61号で改正された旧租税特別措置法施行規則第17条の6においては、「宗教法人法第5条に規定する所轄庁の証明書を添付しなければならない。」と規定されていたことからしても、規則第5条ノ7にいう都道府県知事とは、宗教法人法第5条第1項の所轄庁をいうことは当然であるが、同条第2項の所轄庁が文部大臣の場合にあつては、如何にするか法文上規定されておらず、また、当該登記の目的である不動産の現況が、宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地に該当するのかの点についても、当該不動産が、宗教法人の事務所所在地以外の都道府県に存する場合には、所轄庁である都道府県知事がこれを把握することは必ずしも容易でなく、むしろ事実上不可能な場合も考えられるので、不動産所在地の都道府県知事が調査の緕果に基づいて証明書を発行するのであれば、これを違法なものとする理由も存しないので、本件の場合には、当該登記の目的たる不動産所在地の都道府県知事の証明書により取り扱ってもさしつかえないものとされたのであろう。

同上
3848 宗教法人法第3條に規定する境内建物及び境内地であることの証明について
問 宗教法人がもつぱらその本来の用に供する宗教法人法第3條に規定する境内建物及び境内地に関して受ける登記につき、登録税法第19條第2号ノ10の規定による免除を受けようとする場合は、登録税法施行規則第5條ノ7により、都道府県知事の証明書を提出すべきものとされていますが、同條に所謂都道府県知事とは当該宗教法人の所轄庁(宗教法人法第5條)でしようか。それとも当該不動産が存在する都道府県の知事でしようか。(新狂徒)
答 当該宗教法人の所轄庁たる知事と考えます。

宗教法人等の所有する建物の床面積増加にかかる登記の登録税の徴収に関する手続について
宗教法人等の所有する建物の床面積増加にかかる登記の登録税の徴収に関する手続について
(昭和36年7月20日付日記第4、505号神戸地方法務局長照会、同年9月30日付民事甲第2474号民事局長回答)
 所有権の登記のされている建物について、床面積の増加にかかる登記をしたとき、登記用紙中表題部の「登記の日付」欄に昭和36年1月23日付民事甲第114号貴職御通達による別紙第1号ないし第4号様式の印版を押印する趣旨は、後日における登録税の徴収漏れを防止するほか登録税の徴収状況をも合せてこれを明確にすることのように解されますので、登録税法第19條第1項第1号ないし第2号ノ8の規定に掲ぐる政府その他公共企業体等の所有にかかる建物についてかかる登記をしても右印版を押印する実益はありませんが、宗教法人がもっぱらその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する建物について、所有権の登記後に付属建物たる杜務所の新築の登記をしたときには、登録税法第19條第1項本文の規定から一応、右御通達による別紙第1号様式の印版(登録税未納)を押印する扱いが適当ではないかとも考えられますが、いかがでしようか。
 また、県市町村の所有にかかる建物についても前同様なる扱いでよろしいか。
 いささか疑義が生じましたので、至急に何分の御指示をお願いします。
(回答)
 7月20日付日記第4505号をもつて問合せのあつた標記の件については、前段、後段ともに貴見のとおり取り扱つてさしつかえないものと考える。
 なお、後日、権利に関する登記の申請にあたり、宗教法人所有の建物については、登録税法施行規則第5條ノ7による都道府県知事の証明書の添付がある場合,北海道府県市町村所有の建物については、当該建物が登録税法第19條第3号に該当する場合には、昭和36年1月23日付民事甲第114号本職通達別紙第3号様式による印版を押すのが相当である。

教会に寄付する前提としての保存、分筆登記の登録免許税は免除されない
609 未登記不動産を教会に寄付しその移転登記をする場合、その前提登記としてなす保存登記等の登録税
問 未登記個人所有の不動産を、法人たる教會の構内地として寄付し、その所有権移転の登記をする必要上、先ず寄付者たる個人名義に所有権保存の登記をする場合、不動産登記法施行細則第44條ノ3第1項第7號の規定により、都道府縣教育委員會の登銭税法施行規則第5条ノ7の場合に該当する旨の証明書を添附して申請のあつたときは、當該保存登記の登銭税を免除すべきでしようか。
 又、その構内地が既登記であるとき、その一部のみ寄付する場合の分筆登記について、同じ証明書を添附してきた場合の當該分筆登記の登録税は免除すベきでしようか。
(但馬登記生)
答 登録税法施行規則第5條ノ7は、法人たる神社、寺院又は教曾が、登記の申請人となつて登記を受げる場合の登銭税の免除に関する規定であるところ、所問の場合の所有権保存の登記又は分筆の登記は、當該寄付をした個人が申講すべき登記であるから、いずれも同條に規定する場合に該當せず、したがつて、その登記の登録税を課すべきである。

昭和14年法律第78号によリ神社へ不動産を譲与する際登録税の免除をうけるには税務署の証明書が必要
226 昭和14年法律第78號によリ神社へ不動産の譲與を為す場合における登録税の徴収方について
問 昭和15年勅令第461號附則第二項は、神社へ不動産の譲与を爲す場合においても税務署長の証明にて免税する事を得るや。(松江 登記生)
答 昭和14年法律第78号(寺院等ニ無償ニテ貸付シアル国宥財産ノ処分ニ関スル件)が昭和22年4月12日法律第53號をもって全文改正がなされているので、昭和15年勅令第461号附則第二項の規定の趣旨に準じ、税務署長の証明あるものにつき免税の取り扱いをなすべきである。なお、右は大蔵省においても了解済である。

所轄庁の証明書の添附のないかぎり、教会の建物保存登記の登録税は免除されない
608 法人たる教会の建物保存登記の登録税の免除について
問 いま、法人登記のしてある教會がその建物の保存登記を申請するにつき、非課税建物として賃貸価格の定がなく、家屋台帳に登録されて居らない旨の税務署長の証明書を添附してきた場合、その登録税の免税につき、左記の3説がありますが、いずれの意見が正しいでしようか。
イ 非課税建物として家屋税が免除されているのは、家屋台帳法の規定により、すでに命令の定むるところにより非課税家屋であることが明らかなのであるから、當該税務署長の証明書があれば、無條件にて登録税も免除すべきである。
ロ 家屋台帳法に因る命令に依り賃貸価格の定がないのと登録税法の規定とは全然別個であるから、税務署長の當該証明書は、ただ単に家屋台帳に登録なき旨の証明であるとして取り扱い、登録税法第19條第2號ノ3、同法施行規則第5條ノ7の規定に依る証明書の添附のないかぎり、登記官吏は独自の見解によつてあらゆる状況から判断してその建物の価格を決定し、課税すべきである。
ハ 税務署長の賃貸価格の定めがなく家屋台帳に登録なき建物である旨の証明書と同時に財務部長(支部長)の登録税を免除すべき旨の証明書があれば、登録税法第19條ノ2の3の規定に因り免除すべきであり、右の書面のととのわない時はその申請を受理すべきではない。(滋賀小波生)
答 ロ設によるべきである。但し、登録税法第9條第2號ノ3、同法施行規則第5條ノ7の規定による証明書は、大藏省設置法等の施行に伴う政令等の整理に関する政令(昭和24年5月31日政令第149號)第24條によつて、登録税法施行規則第7條ノ5が改正された結果、現在では、都道府縣教育委員會の証明書を添付することとなっているから、念のため申し添える。

その他

非課税の神社の建物でも登記をしなげれば第三者に対抗し得ない
1618 宗教法人所有の境内建物を譲り受けた場合の登記と第三者対抗要件について
問 宗教法人が、もつぱらその本来の用に供する宗教法人法第3條に規定する境内建物は、家屋建築の申告ができないものと思うが、もし、そうであるとすれば、寺院がその所有の前記建物を分教会へ譲渡するには、登記をしないで第三者に対抗要件を生ずるものと解してさしつかえないでしようか。(山形 T生)
答 家屋台帳に登録されない家屋でも民法第177條の規定の適用があるから、その家屋の譲受人は、登記をしなげれば第三者に対抗し得ないことは言うまでもない。

宗教法人登記及神社寺院教會財産登記上の「法量」とは
36 宗教法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続第17條の法量の語義如何(畑部生)
 答 宗致法人登記及神社寺院教會財産登記取扱手続17條の「法量」の、法とは寸法の法であり、量とは質量の量である。從つて、賓物の寸法、大きさ、目方等を記載するのである

宗教法人所有の境内建物は土地台帳に申告できない
1642 宗教法人所有の境内建物の台帳申告の可否
問 宗教法人がもつぱらその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物は、家屋台帳法附則第2項により、その申告はできないものと考えられますがいかがでしようか。
(山形 T生)
答 御意見のとおり。

熊野神社社務所内神社の登記小資料室・
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